「1回の受験」は本当に正解? 千葉県の公立高校入試一本化がもたらした変化

千葉県の公立高校入試の合否が発表されましたね。

1日目は試験開始時間が変更されるなど予定外のことが起こり、動揺してしまった子もいたのではないでしょうか。

タイトルにも書きましたが、前期・後期制の入試が2021年度から一本化され、数年が経ちました。

公立入試一本化による「1回の受験は本当に正解だったのか?」について、私なりの考えを書いてみます。

 

「もし、前期と後期があったら、もう1回チャンスがあったのに…」

千葉県の公立高校入試が一本化されてから初めての受験の年、このように思った保護者、受験生が多かったのではないかと思います。

一生懸命勉強してきたお子さんが、本番の試験で緊張してしまい、本来の力を出し切れなかった…。
試験後に自己採点をしてみて「この点数だと厳しいかも…」と落ち込んだ子もいたはずです。

今までの「前期・後期」の2回受験の制度があれば、後期で再挑戦することができました。
しかし、今の千葉県公立高校入試は「1回」のみとなっています。

 

千葉県公立高校入試の一本化で変わったこと:受験の準備、ストレス、進路の決め方

受験が一本化され、保護者や受験生にとって、どのような変化があったのでしょうか?

【受験準備】1回の試験に全てをかける緊張感

これまでなら前期で本命校(またはチャレンジ校)、後期で実力相応校などと戦略的に受験できましたが、今は「1回で決まる」ため、受験のプレッシャーが大きくなっています。
そのため「最初から安全策をとる」家庭も増えていると感じています。


【受験ストレス】「もし失敗したら…」の不安が大きい

試験当日の体調や緊張によって、本来の力が発揮できないリスクがあります。
「もう1回チャンスがあれば…」と思う受験生も多いです。


【進路の決め方】公立にこだわらず、私立も選択肢に

「1回の受験で落ちたら終わり」という状況に備えて、公立1本ではなく、私立併願を重視する家庭が今まで以上に増加しています。
結果として、私立高校の人気が上がり、併願基準が厳しくなったという影響も出てきています。
成績状況によっては、公立が第一希望だった子が、私立を第一希望として単願推薦に変更するケースもありました。

 

学校の先生や塾の対応はどう変わったか?

学校の進路指導や塾の対応も、一本化によって大きく変化しています。

【学校の対応】「安全校を第一志望にすべきか?」の悩みが増えた

「公立一本で行く!」という方針の生徒に対し、「本当に第一志望で勝負して大丈夫か?」という慎重なアドバイスが増え、安全策として「確実に合格できる学校」を第一志望にするケースが目立つようになりました。
または学校の先生からは明確な志望校のアドバイスがもらえない、という話も聞きます。


【塾としての対応】「当日の入試で実力を出し切るための対策」がより重要に

1回の試験で決まるため、試験本番で力を出し切るための対策に、当塾では重点を置く指導を意識しています。
「試験当日のリズムを整える」「模試や入試予想演習を本番と同じ緊張感で受ける」など、試験当日のパフォーマンスを最大化する指導を受験前は徹底しています。


【私立高校の動向】併願受験のハードルが上がった

そもそも私立高校の人気が上がってきていることもありますが「公立に落ちたときの滑り止め」として私立を受ける受験生が増え、私立高校の併願基準がここ数年厳しくなってきています。
併願基準が上がった結果、「併願優遇」を受けるには、より高い内申点が必要になり、定期テストの重要度が増しています。

 

もし、受け入れ保留アルゴリズム(DA方式)を導入したら?

千葉県の入試一本化は、「公平性の向上」を狙った改革でしたが、実際には「受験生のリスク増加」という新たな課題も生まれました。

そこで、最近注目されているのが、受け入れ保留アルゴリズム(DA方式) という仕組みです。
これは、アメリカの公立高校の入学選抜などで活用されている方法で、受験生が本当の志望校の順位のまま出しても損をしない仕組みになっています。

DA方式のポイント

  • 受験生は「第一志望・第二志望…」と順位をつけて志望校を提出する
  • 学校側も「受け入れたい順」に受験生を評価する
  • システムが受験生・学校の希望をすり合わせ、公平なマッチングを行う

この方式を導入することで

  • 「1校だけしか出願できない」状況がなくなり、複数の学校を同時に希望できる
  • 「本当に行きたい学校」を安心して第一志望に書ける

といったメリットが考えられます。

DA方式であれば、例えば第一志望校のA高校が不合格でも、第二志望校のB高校に合格できる、ことがあります。

今の入試制度では、本当はA高校に行きたいけど、より確実に合格できそうなB高校を受験しよう、と考えるご家庭も多いと思います。
その結果、B高校に合格できたとしても、「あのときA高校を受験していれば…」といった後悔をする子もいます。

DA方式では、本当に希望している志望校の順番で出願ができるようになります。

試験は1回しか受けられないことに変わりはありません。
ただ本音と違う志望校にしなければならないことはなく、あとは当日の入試で実力を発揮することに集中できます。

実際にDA方式を導入するとなれば、いろいろと制度を変える必要があるためすぐに実現することは難しいとは思いますが、子どもたちにとってより良い受験制度になってほしいと思っています。

より詳しく知りたい方は、下記を参考にしてください。
DA方式とは?

 

まとめ:「1回受験」は本当に正解だったのか?

  • 千葉県の公立高校入試が1回受験になったことで、受験生のストレスや「失敗できないプレッシャー」が増した。
  • 学校の進路指導も、より慎重になり、安全策をとる家庭が増えている。
  • その影響で、私立高校の併願基準が厳しくなり、定期テストの内申点がより重要になった。
  • DA方式のような仕組みを取り入れることで、公平性を保ちつつ受験生のリスクを減らせる可能性もあるが、導入には課題も多い。

「1回の受験は本当に正解だったのか?」

このことに対する答えは、簡単には言えません。
ただ、公平性を高めるために制度を変えたことで、新たな問題も出てきていると感じています。

まずは今の入試制度で、塾としてできる最善のことを考えて取り組んでいます。

希望の学校がどこになったとしても自由に選べるように、日々の学習指導で実力を高めていきます。

そして、入試本番でその実力を発揮できるような本番を想定したトレーニング、生徒一人ひとりの癖に合わせたケアレスミス対策などを直前期は徹底しています。

今後、さらに受験制度が変わっていくことも考えられますが、塾としてどう対応するのが最善か常に考え続けていきたいと思っています。

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